まいばら暮らしを楽しむ人003/川瀬篤志さん
●移住のきっかけになったことはなんですか?
私の場合は子育てが一番大きなきっかけでしたね。米原市で生まれ育ち、学生時代には徳島県、サラリーマン時代には東京と、田舎・地方都市・大都会を経験した結果、大都会に暮らすことは良いけど、自分の思う子育て環境としては違うなと感じていました。
都会では、小さい子どもが子供だけで自由に外で遊べる環境がない。学校から帰ってきて家の前の道路や外で遊べない。米原だと、自分たちが育ったような外遊びができる環境がのびのびとした子育てができる。困ったときは両親に預けることもできます。
だから、子どもが小学校入る前に米原へUターンし、自分が育ったような環境で子育てしよう!!と思ったのがきっかけです。
●米原市を拠点にしてみて、良かったところはどこですか?
ずばり、子育て環境です。子どもと過ごす時間も増えました。
自分の感覚では、田舎だからといって教育の不利は感じないですね。むしろ、学校は小人数だから一人一人に目が届いた教育が受けられる。近所で東大に入っている子もいます。やはり、本人次第かな。
お金の面でも田舎の方が余裕があると感じます。都会では、交通費、買い物、遊び、何をするにもお金がかかる。給料も高いが支出も大きい。
田舎暮らしは、都会ほどお金がかからない。その分子どもにお金も時間もかけることができると思います。
米原に帰ってきてから15年近くなりますが、地域の子どもたちのために何ができるのかを考え行動できることも良かったことだと思いますね。
私の住んでいる地域で毎年やっていた盆踊りが、高齢化による準備の大変さなどが理由で中止になってしまいました。
盆踊りって、夏休みの夜に子どもが友達とワイワイできるめちゃくちゃ楽しい時間ですよね。そんな子ども達の思い出づくりがなくなってしまったのがかわいそうで。
子どもたちの思い出作りのために何かできないかと考え、2021年から花火大会を企画して開催しています。
今年は他の地域の方も見に来てくれて結果的に200人くらい来場し、おおいに盛り上がりました!
●東京での暮らしと米原暮らしで変わったことは?
前職は、東京で大手橋梁メーカーのサラリーマンをしていました。サラリーマン時代は明石海峡大橋などの設計業務をしていましたが、子どもが眠ってからしか家に帰れないようなハードな勤務。米原に戻るのを決めてからは、10年間続けたサラリーマン生活は辞めて、実家の農家を継ぐことを決めました。
農家を継ぐことを決めたものの、農業に関しては全くの素人。米原に戻ってからは、親も加入していた営農組合に入り、一から農業を覚えました。それから専業農家として、5年前に法人化し現在に至っています。
米原に戻ってからの生活というのは、毎日夕方5時には帰宅。というか、暗くなったら田んぼ仕事はできないですからね。子どもと一緒にいる時間も取れ、仕事も充実した暮らしになりました。
10年以上お米を買ってもらっているお客様から、「進学で家を出る子どもにもお米を送ってほしい。この子の体は、あなたのお米で作られているから、これからも食べさせてやりたい。」と依頼いただいた時はとても嬉しかったですね。
また、県内の農業高校の先生方にお話をする機会をいただいて。『農業は畑と種1つあれば商品を作ることができる』ということを生徒さんに伝えてくいださいと言いました。
色々な仕事がある中で、農業は0から商品(作物)が出来上がるまでの過程をすべて自分でできる数少ない仕事です。たとえ、将来農業以外の仕事に就いたとしても、何かあったら、作物を作った知識と経験がある農業に戻って来ることもできる。そんな素晴らしい技術をもっているということを知ってもらえる時間になったと思っています。
私自身も未経験から始めた農業ですが、自分の采配次第でサラリーマン時代よりも儲ける方法はあり、満足度の高い、人に喜ばれる仕事だと感じています。
●米原はどんな方におすすめですか?
新幹線駅がある米原のアクセスの良さを活用できる人にはおすすめですね。京都、大阪、名古屋で働いている友達も多く、私の妻も米原に住みながら京都で働いている時期がありました。
田舎ならではの生活でコストを抑えて、都市部へ働きに出かけるという人は米原を拠点にするのもよいと思います。
でも一番のおすすめは、アイデアがあって自分で仕事を作れるひと。それを、オモシロイと思う人ですね。仕事は自分で作るもの、自営業だけでなくサラリーマンでも一緒だと思います。
ある程度の人脈・ヒラメキがあれば働く場所を選ばないんじゃないかな。
●川瀬さんから見た、米原のおすすめ度は何%?
満足度含めて90%ですね。
私の場合、仕事が農業なので日々移動することはないのですが、農業をするには米原は土地も借りやすく美味しいお米や野菜が育つ。消費者がいる大阪、名古屋、京都にも近いから日帰りで納品に行って帰ることもでき、最新の情報も取りに行ける。子育て世代には特に、米原をビジネスの拠点にすることをおすすめします。