まいばら暮らしを楽しむ人016/山本有香さん
●移住のきっかけになったことはなんですか?
私が地元・米原に戻るきっかけは、ホームシックならぬ「琵琶湖シック」でした。
楽しかったことやつらかったことを友人と時間を忘れて語り合ったり、ひとりで考え事をしたい時にはぼーっと水面を眺めたり。そうした自分の思い出の中に、いつも琵琶湖があることに気付きました。
米原から三重に移住してからは、地元を離れてより一層私の心の支えになっていたことを知りました。
地元に戻ることをふわっと思いつつ、改めてこれからの自分の暮らし方ややりたいことってなんだろう?ってこれまでのことを振り返りながら考えたんです。
三重では介護施設で調理をしていたのですが、そもそもこの仕事を選んだのって地元のおじいちゃん・おばあちゃんが大好きだったからだなとか、自分が作った料理を食べてくれた時に心が温まったなとか。
こうして点と点を結んでいくと、地元のお年寄りの方々が食べる楽しみやほっこりする時間を過ごし、笑顔をつなぐ場をつくりたいという気持ちが日に日に強くなっていったような気がします。
●米原を拠点にしてみて良かったところはどこですか?
米原に戻ってよかったと感じるのは、何よりも心の安心感が違いますね。地元で知ってる顔、土地で販売できることで心がほっとします。戻ってからも琵琶湖にピクニックに来ていて、時間ができたら琵琶湖を眺めながらコーヒーを楽しんだりと喫茶店的な利用をしています。旅先から帰ってくる時にも、カーナビをあえて広域マップにして琵琶湖が見えるようにしているんです(笑)。
戻ってからまずは、地元の夫婦や友達へのお弁当配達を始めました。そんな中で近所に住む双子の赤ちゃんを育てるママに出会ったんです。そのママが子育ての合間にできた短い時間で食事している姿を見て衝撃を受けました。
そこで、ごあいさつもかねてお弁当をプレゼントしたら、すっごく喜んでくれて!それからママとの食を通じた親交を深めるようになりました。
この出来事から、地元のお年寄りだけでなく、子育てママやその子どもたちにも、わたしの作るごはんを食べてこころからほっこりするようなひと時を過ごしてもらいたい!と感じるようになり「special good morning(スペシャルグッドモーニング)」として活動がはじまりました。
介護の仕事をしている時にもお弁当を作って届けることを小さくマイペースに始めていたのですが、夜勤明けとか休日の隙間時間を使ってやっていたこともあり常に時間に追われていました。米原に戻ってからはお弁当作りに専念できる時間を持てるようになったので、市内外のカフェ・アパレルショップでのお弁当販売や、キッチンカーで企業に訪問し社員さん向けにお弁当を届けています。
お弁当が売れ残った時には、両親にも食べてもらって、率直な感想をもらっています(笑)。今日までこうしてお弁当販売ができているのも、地元の温かく優しい人々に支えられているからこそだと実感しています。
●山本さんから見た、米原のおすすめ度は何%?
100%
琵琶湖と同じくらい伊吹山が大好きなのですが、その両方を近くに感じながら過ごす毎日はとても幸せです。変わらずそこにあるものの魅力は、一度その場所を離れたからこそ再確認できました。
これから米原への移住を検討している方にも、きっと同じように好きになってもらえると思います!