まいばら暮らしを楽しむ人019/武田 紀仁さん・渚さん
●移住のきっかけになったことはなんですか?
私たちの移住の絶対条件は、水がきれいな場所で暮らすことでした。東京から滋賀への移住は2段階移住でと考えていたので、1段階目として大津・守山・草津を検討し、2段階目として彦根・米原・長浜のどこかへ移住しようと話していました。
そんな時に滋賀県が主催する移住体験プラン「しがレポ!」が米原を会場として開催されることを知り、先に米原市に移住体験してみるのもいいよね!ということで体験プランに参加しました。
体験プランに参加して実際に米原を見た感想としては、水はもちろん景色もきれいでしたし、滞在中に出会った方たちも素敵な方ばかりでした。これが決め手になって、“2段階移住って考えていたけど、最初から米原に住んでもいいんじゃない?”って話になったんです。
プランは先輩移住者がナビゲーターとなって米原市内を案内してくれるもので、訪問先の中にも米原に移住してから起業された方もいらっしゃいました。先輩移住者が米原で活動されている様子を見て親近感がわきましたし、地域に馴染んでいる姿を目の当たりにできたことが嬉しかったです。
それからは、本格的に米原移住に向けて動き出しました。私たちは「まいばら空き家対策研究会」に利用登録し、自宅兼カフェとしての古民家を探しました。
そこで、空家再生みらいつくり隊の石崎さんに気になる物件を案内してもらっている時に、水がきれいな場所をお探しなら ということで、たまたま甲津原を紹介していただいたんです。
当初、甲津原のことはよく知らず、私たちの移住候補の中には入っていなかったのですが、初めて見た景色になんというか惚れ込んでしまって(笑)。これを機に甲津原へ移住することに決めました。
●米原を拠点にしてみて良かったところはどこですか?
一番よかったところは、なんといっても景色です。甲津原の自然が織りなす景色の美しさには毎回感動しています。トンネルを抜けた先に広がる棚田や水、緑、空気の清らかさは、他にはない魅力です。
朝に庭仕事で汗を流し、お気に入りの場所で水路に足をつけ、風の心地よさと景色を楽しみながら食べるお昼ごはんがとにかく最高です!地域の方々も、とても親切に気さくに接してくれます。近すぎず遠すぎずのちょうどいい距離感が心地良いです。
生活面では不便さは全然感じないですね。甲津原は雪が多い地域なので心配していましたが、スキー場がある関係で主要道路は除雪が行き届いており思っていたよりハードルが下がりました。
でも、車移動が中心でドアtoドアの生活になったので、運動しなくなり体型維持が難しくなった気がします(笑)。
あとは米原に限った話ではありませんが、トレンドを自分から吸収していかないと新しい刺激が増えないと感じました。ただ、これはプラスにも感じていて、都会だと常に最新情報が目や耳に入ってくる分疲れることもありました。
米原へ来てからは余計なことにエネルギーを使わなくなったので、自分の考えや想いにアンテナをはれる心の余白を作れるようになりました。効率性が上がったおかげで、遅くまで仕事しちゃうこともあるんですけどね(笑)。
とはいえ、花や植物の成長を感じたり、小さなカエルやカナヘビを見つけては「いたよー!」って共有しあったり、日々の小さな出来事に喜びを感じることが増えました。
今後は、料理が好きなので、自分で育てた野菜を使った料理を楽しみたいと考えています。ひさびさにジビエ料理もやりたいですね。カフェのオープンに向けて準備を進めながら、趣味も楽しんでいきたいです。
●武田さんから見た、米原のおすすめ度は何%?
60%(紀仁さん)
100%(渚さん)
米原市は、働き方の自由度が高く、在宅ワークや自営業の方にはぴったりの場所だと思います。関西や関東へのアクセスが便利で仕事にも影響は少ないと感じています。
当初2段階移住の1段階目として大津を候補に入れていたのも、仕事に影響がないようにと考えていたからでした。カフェの他にも在宅ワークをすることがあるので、ネット環境や郵便・配達といったインフラ系も心配していましたが、不便さを感じず生活できています。
また、今回カフェを始めるにあたり、米原市商工会と米原市が主催の講義「まいばら経営塾」に参加し、創業・経営についてはもちろん創業支援としての補助金についても教えてもらいました。移住者向けのリフォーム補助金なども手厚く、ありがたかったですね。
満足度を60%にした理由は、甲津原の居心地がよすぎて、他の地域に行かなくなってしまいそうだからです(笑)。旅行や短期滞在を通じて他の地域の自然や文化の豊かさを楽しむ余地も残したいという意味で、あえて満足度を低めに設定し、ここへ戻るたびに「やっぱり米原っていいな」と改めて感じられるようにしています!