020/臼井 新人さん

まいばら暮らしを楽しむ人020/臼井 新人さん

清流・地蔵川に咲く水中花「梅花藻」が人気の観光地・米原市醒井にあるゲストハウス「居醒庵(いざめあん)」の店長として、宿泊業務のほか料理も担当しています。

移住のきっかけになったことはなんですか?

岐阜県で経営していた事業をたたんだちょうどその年に、友人が中山道・醒井宿に佇む取り壊し寸前だった古民家を手に入れたんです。その友人から「この古民家を使って何か一緒にやらない?」と誘われたのが移住の一番のきっかけでした。田舎に移住したいという思いと当時から狩猟に興味があったので、ちょうど良いタイミングでしたね。

この古民家は観光地としても有名な醒井宿にあるので、せっかくなら観光地である醒井宿を活かして、この古民家を使った事業を考えようという話になりました。当初は飲食関係やセレクトショップ、霊仙山・伊吹山も近いのでアウトドア関連のお店もいいねと話してました。

まずは、古民家のリノベーションのために米原へ移住し、泊まりこみで約4年かけて修繕をしました。修繕を進めながら何をするか考えていく中で、オーナーも私も釣りが趣味だったことから、川や水にちなんだテーマのゲストハウスを作ることにしました。こうして、2020年1月に「居醒庵(いざめあん)」としてオープンしました。

ゲストハウスを含めた宿泊業というのはベッドの数が売上に直結しますが、地元の方と国内外から来たお客様との交流の場所を作りたいというオーナーの想いもあり、1階は吹き抜け天井の広々とした空間の共有スペースを設けています。

共有スペースがあることで、夕食後にはお客様同士でお酒片手に自然と交流が生まれています。ほかにも、2023年12月には居醒庵を会場に、滋賀県に移住したい方や滋賀県に移住した方を対象とした移住者交流会が開催されたり、醒井地蔵川界隈で行う年2回マルシェ「さめがい61マルシェ」のピアノコンサート会場として利用してくださったりと、居醒庵としての想いが実現できていてうれしく思います。

米原を拠点にしてみて良かったところはどこですか?

米原に移住して一番よかったのは、狩猟がすぐにできる環境が手に入ったことです。岐阜で狩猟免許を取得する考えもあったのですが、米原に移住することが決まっていたので、せっかくなら滋賀県民として免許を取得したいと思い移住後にしました。現在は地元の猟友会に参加して活動しています。

あとは釣りですね。夏になれば鮎釣り、冬の時期にはワカサギと多様な釣りを楽しんでいます。状態の良い物が釣れたら、丁寧に下処理をして夕食として提供することもあります。

お客様の中には、狩猟と釣りに興味を持ってくださってよくお話を聞かれます。釣り好きのお客様から『わかさぎ釣りに連れて行ってほしい!』とのご要望を受け、琵琶湖へお手製のタモ網を持ってわかさぎ釣りならぬ“わかさぎすくい”へ行きました。

移住してから地域に馴染むために、最初の1年は「ゲストハウスの売上よりも地元の人たちと仲良くなること」をテーマに掲げました。
ゲストハウスで泊まり込み作業をしていた時、たまたま地蔵川のライトアップイベントが中止になることを聞きつけました。偶然米原市の職員さんがいたので、「せっかくなので、道具を貸してもらえるなら私に運営させてください」と依頼させてもらいました。これをきっかけに、米原市・地域の方々とのつながりが広がり、今年もライトアップイベントを続けることができました。

米原に来てから、地域の方・お客様との交流を通じていろいろなことに興味が湧いてきました。また、小さな頃から趣味だった釣りでの経験が、今の自分の仕事や暮らしにも活かされていると感じています。

臼井さんから見た、米原のおすすめ度は何%?

100%

日用品の買い物には特に不便を感じませんが、家電製品やそれこそ釣具とかは米原に専門店がなく、彦根・長浜・岐阜へ見に行って使用感を確かめたうえで、最終的にネットで購入することが多いです。米原だけで買い物を完結させたい方には不便に感じる部分もあるかもしれませんね。

それでも、私にとってはやりたいことや挑戦してみたかったことが詰まっている環境なので、これほど素晴らしい環境はないと感じています!なので、私と同じような趣味があったり、自然とのふれあいが好きな方には特におすすめします。

居醒庵には月に2、3組ほど移住を考えている方が宿泊されます。夜には地域の方がふらっと寄ってくださることもあり、地域の方との交流もできるかもしれません。米原市への移住をお考えの方は、ぜひ一度お越しいただけたらと思います。

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