012/佐々木結衣さん・桒幡優多さん

まいばら暮らしを楽しむ人012/佐々木結衣さん・桒幡優多さん

不幸な猫を減らしたいという想いで新しい保護猫の形を考える、「猫古屋(にゃごや)」のお二人。
“猫好きのための民泊レストラン”を始めるため、名古屋で仕事をしながら米原に通い、購入した古民家をリフォームしています。

移住のきっかけになったことはなんですか?

もともと猫好きが集まる会社で出会ったわたしたち。不動産の仕事をする中で「空き家」や「移住」の概念にも触れていました。田舎の大きな家や広い敷地を見て一緒に夢を語るうちに、もともともっていた飲食店の構想から宿泊業へとどんどん妄想は膨らんでいって、自分の手で家を改修することへの興味も相まって…それらをビジネスとして実現させたい!と考えるようになりました。

移住後も今の仕事を継続する予定だったので、名古屋から一時間圏内で拠点探しをする中で、米原へ。空き家を何件か見て回りましたが、周辺環境や間取りに惹かれてここに決めました。頭の中に描く構想があったからこそ、この場所に出会った時、ここで生活をし、事業をするイメージが湧き、気に入りました。
わたしたちの決めた拠点の近くには「名水百選の湧き水」があるんです!飲食業をするうえで特徴を出せるし、強みにもなると思いました。

米原を拠点にしてみて良かったところはどこですか?

いろんな地域を探しましたが、米原という地域の「人の良さ」は問い合わせの段階から一味違っていました。移住者を歓迎してくれる雰囲気が、役所でも、空き家の事務所でも…。お店でも、地域をただ歩いていても、声をかけてくれる人がこんなに!と驚きました。

地域側の受け入れ体制があり、移住者のことが町の人にも認知されているので、柔軟で理解が深いのかなと思いました。自分たち側からも、地域の方々との接点を意識して増やすようにしています。

ビジネスの視点で見ても、「起点」にしやすく理想的な田舎だと感じます。もともと人が通らないような田舎とは違って、米原はもともと交通の点で人が「通る」場所。今まで通過点でしかなかった場所で、「降りてもらう」「停まってもらう」ための目的地として何か始めるというのは難しくないように思います。
例えば、小さなお店。「こんなところに?」と思っても、SNSで魅力を知れば人がやってくる。一つの「場」のおかげで、その地域が一気におしゃれに感じたりもするし、印象が変わっていく時代でもあると思います。でも、地域からすると、尖りすぎていることや新しいことを創造する、というのは受け入れられにくい部分があるのかもしれませんし、市内だけで完結したり、市民のみを対象とするのは厳しいのかもしれないです。

とっつきやすいようにして、若い人たちに向けて情報を発信したり、呼び込んだりすることが大事だと思います。若い人が自分の住む場所に自信を持ち、地域を気に入る。若い人が地域から出て行かないし、外から入っても来る。
そんな人たちから、地元の方々にも自分たちの住んでいる場所の良さが伝わっていくという流れが生まれるのかもしれない。そんな力をもつ若い層に、魅力が届くような打ち出し方ができたらいいなと思います。

米原のおすすめ度は何%?

こんな素敵な場所なのに、地元の人は米原のことを卑下しすぎな気がします。(笑)「なんにもない」「なんでこんなところに?」「辞めた方がいいよ」って声も。
移住する側からしたら、毎日が宝の山!嬉しいこと・楽しいこと・驚くことがこんなにたくさんあるのに…って思います。地域の人たちにとっての「あたりまえ」。利便性の良さと自然がちっちゃい町にぎゅっと詰まってバランスよく存在していて、「やりたいことができない」ということがあまりない。ほどほどに何でもできる場所です。これからの可能性が詰まっているから…

おすすめ度は、120~150%!(桒幡さん)
まだ住んでいないけれど…200%!(佐々木さん)

これからわたしたちがやろうとしていることの根底には、「新しい保護猫の形を考える」という思いがあります。手を挙げてくださった方の大きな自己犠牲で成り立っている保護猫の現状を変える、新しい切り口のシステムを作りたいと考えています。

まずはここを猫好きの集まるコミュニティの本拠地にして、猫好きの作戦会議や意見交換が行われる場にしたい。一階は空間を仕切り、縁側で過ごす猫を見て過ごせるカフェ・レストラン。二階では猫が遊びに来る部屋で宿泊もできるようにする予定です。

「里親探しのプロデュース」「地域ねこの保護」「のら猫アパート」「猫シェルター」「コミュニティ内で助け合って猫を飼う」「猫に優しい賃貸=猫フレンドリー物件をつくる」等々…。他にもやりたいことがたくさんあります!
それらすべてを自分たちで実現することはできません。人が集まりそれぞれがもつ技術や知識を出し合うことで、できることは増えていくと思うんです。出会いの中で雇用が生まれたりメンバーが増えたり分業したりして広がっていけばいいなと思います。

まだまだ全てが夢物語だけれど、自分たちが楽しめる事業や生活を、この場所でゆっくり作っていけたらと思います。

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