015/森山邦子さん

まいばら暮らしを楽しむ人015/森山邦子さん

堂谷で創作料理とスイーツを提供する古民家カフェ「森鈴(モリリン)」を経営されています。

移住のきっかけになったことはなんですか?

大阪での仕事を定年退職後、泉佐野にあるオフィスビルの一角で娘と一緒にレストランをオープンしました。朝8時から営業していて、モーニングは近所に住むご高齢の方の憩いの場となり、ランチタイムは同じビル内に勤めている方がよく来てくださりました。

お店ではいろんなメニューを用意していたのですが、注文されるのはいつも同じメニュー。ハンバーグやカレー、パスタなど時間内にパッと食べられるメニューばかりを作っていました。そんな毎日になんとなく違和感を感じていて。もっと奥深い、バラエティに富んだ料理を提供できるお店を自分のペースでやりたいなと思うようになりました。

娘は諸事情で一緒にお店を続けることができなくなったので、ひとりでこのレストランを続けるのは厳しいなと考えていた時、一緒に働いてくれていたスタッフがレストランを引き継いでくれることになったんです。そのタイミングをきっかけに移住と拠点探しを始めました。

拠点探しをしている時、彦根に住んでいる知り合いから「空き家バンク」という取り組みがあることを教えてもらい、彦根・米原の2つの市で空き家を探すことにしました。両市合わせて5件ほど見学させてもらったのですが、屋根と水回りがしっかりしている空き家として、現在の物件に出会いました。

出会った当初は、竹や草木がそれはもう伸び放題!(笑)家財や不用品などもまだたくさん置いてある状態でしたから、空き家バンクの方にも「この物件は住むにしても大変だと思いますよ」と言われたんです。でも逆にやってやるぞ!と気合いが入っちゃって!それからは米原市の補助金を活用して家財処分を進めたりしました。

米原を拠点にしてみて良かったところはどこですか?

1つは、やっぱり自分がやりたいと思っていたお店ができたこと!その時期の美味しいお野菜や果物などをアレンジした創作料理を提供していて、2023年で5年目を迎えることができました。お店には関西方面から東海方面まで、いろんな地域の方が食べに来てくださってます。

また、お客さんから始まる繋がりも増えていて、今お店に置いているテーブルなんかも譲っていただいたものもあります。おかげでだんだん古民家らしい姿になったと思いますね。隣の長浜市で喫茶店を営業されている方との繋がりもできて、情報交換やアドバイスをいただいたりもしています。

もう1つはDIYができるようになったこと。実家が木工所を営んでいたこともあり、幼少期から作ることそのものには興味を持っていました。私の祖父は“人が作れるものは作れる”と言うのが口癖で、そのおかげもあってかDIYを始める際もまずは自分でやってみよう!という感じでした。ネットなどで調べながら一部屋ずつ壁塗りや襖の張り替えなどを行い、約1年かけてオープンの日を迎えることができました。

DIYができるようになってからは離れを整えて貸しスペースとして活用できるようにしたり、お外で食事ができるような場所を作ったりしたいなと案がたくさん出てきちゃって大変です!(笑)

大阪での暮らしと米原での暮らしで変わったことは?

大阪での暮らしはバスや電車での移動が多かったのですが、米原に来てからはお店がお休みの日に滋賀県内の道の駅を巡って「珍しいものあるかな」「今の旬の食材は何かな」と市場調査も兼ねたドライブに出かけたりしています。

それから、気持ちにゆとりを持って暮らせるようになりました。(笑)前はすごく気が短かったんです。でも、地域の人との交流や地域の習慣を知ることで、気持ちにゆとりを持って暮らせる理由みたいなものを知ることができた気がしますね。

森山さんから見た、米原のおすすめ度は何%?

わたしの環境的には90%!

自分から積極的に地域に対して動くことで、地域の人は喜んで参加してくれる気がします。でも、いきなり積極的に動くのではなくまずは地域の習慣を知って、段階的に地域に馴染んでいくことが大切だと思いますので、これから移住先でなにかを始めようと考えている方も、まずは地域に馴染むことから始めてみるのをお勧めします。

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